Moldova/モルドヴァ

ルーマニアで人気のエリア

ルーマニアの国土は、日本の本州と変わらないほど大きく、地方により伝統や文化も異なります。エリアごとの特色から、訪れる旅先を選んでみたい人はこちらからどうぞ。

  • 名称:モルドヴァ地方は、かつての公国であり、建国者の名前に由来していると言われていますが定かではありません。
  • 所在地:ルーマニア北東部、東カルパティア山脈とプルート川の間。
  • 面積:27,062平方マイル
  • 人口:約450万人
  • 主要都市:Bacau(バカウ)、Botosani(ボトシャニ)、Galati(ガラティ)、 Iasi(ヤシ)、Piatra Neamt(ピァトラ・ニャムツ)、Radauti(ラダウティ)、Suceava(スチャヴァ)
  • 気候:温帯大陸性気候で、夏は暑く、冬は雪が多く寒い。

モルドヴァ地方は、豊かな民俗学、自然の美しさ、歩んできた歴史に関しては、トランシルヴァニアに匹敵するほど、人々を魅了するエリアです。

この地方の州都、Iasi(ヤシ)は、過去600年にわたり、歴史、文化、宗教の点で大きな役割を果たしてきました。ヤシの中心地だけで、ルーマニア正教の教会の数が100近くもあることがそれを物語っています。中でも三大教会として名高いのが、「Biserica Sfântul Nicolae Domnesc(聖ニコラエ教会)」「Catedrala Mitropolitană Sfânta Parascheva(メトロポリタン教会)」、「Biserica Trei Ierarhi(聖三位主修道院)」です。

また、1900年から1926年にかけて建てられたネオ・ゴシック様式の「Palatul Culturii(文化宮殿)」は、現在、民族誌博物館、美術館、モルドバ歴史博物館が入っている観光には欠かせないスポットとなっています。(右写真)

また、ヤシはルーマニアで初の新聞が発行された地であり、ルーマニア初の大学が誕生した場所でもあるなど、学術や文化の発展に大きく寄与してきた都市と言えるのです。

そして、モルドヴァ地方の中でも特に観光客に人気を集めるのが、Bucovina(ブコヴィナ)エリアです。モルドヴァ北部、なだらかな丘陵地帯に広がるブコヴィナには、ユネスコ世界遺産にも登録されている「モルダヴィアの教会群」があります。

15世紀から16世紀にかけて建てられ、ドラマチックな宗教的場面を描いた、色鮮やかな外壁のフレスコ画が特徴で、これらの豪華な装飾が施された礼拝堂は、世界有数のビザンチン美術の宝庫として大切に保存されているのです。 最もよく知られているのが「Mănăstirea Voronet(ヴォロネツ修道院)」です(左写真・上)。1488年に建立されたヴォロネツ修道院の最大の特徴は、ファサードに描かれた最後の審判のフレスコ画です(左写真・中央)。奇跡的に色褪せることのない青い絵の具は、「ヴォロネツ・ブルー」として世界中に知られています。そして、この青い色素は、現在の科学技術をもっても解明、再現できないとして世界の謎の一つとしても語り継がれているのです。外部の壁画もさることながら、教会堂内のフレスコ画、イコンも息を呑む美しさです(左写真・下)。

他にも、独特の緑が印象的な「Mănăstirea Suceviţa(スチェヴィタ修道院)」(右写真・上)や、赤を基調としたフレスコ画の「Mănăstirea Humor(フモール修道院)」もお見逃しなく。また、「Mănăstirea Arbore(アルボレ修道院)」、「Mănăstirea Dragomirna(ドラゴミルナ修道院)」、「Mănăstirea Moldovita(モルドヴィタ修道院)」、「Mănăstirea Putna(プトナ修道院)」(右写真・下)なども、文化的価値の高い修道院として知られています。

いくつかの修道院の入り口には、宗教画やクロスをはじめ、修道士や地元の方々が手作りした野草を使ったコスメや、イースター用の装飾した卵などを販売する小さなお店が併設されているので、お土産選びにもおすすめです。

これらの修道院への訪問は、Suceava(スチャバ)を旅の出発地とすると良いでしょう。1375年〜1565年にモルドバの首都だったスチャヴァには、1388年に建てられた「cetatea Soroca(スチャヴァ要塞跡)」など、必見の見どころがたくさんあります。また、世界遺産の構成要素の一つでもある「Biserica Sfântul Gheorghe(聖ジョージ教会)」や、「Biserica Sfântul Gheorghe Mirăuți(ミラウティ教会)」、「Mănăstirea Zamca(ザムカ修道院)」などの歴史ある宗教施設に加え、木工芸、民族学、歴史、民芸を専門とする博物館なども。特に、「Muzeul Național al Bucovinei(国立ブコヴィナ博物館)」には、中世の武具やコイン、道具、古文書などが展示されており、歴史が好きな人にはおすすめです。この地を治めてきた「シュテファン大帝」の宮廷を再現した「玉座の間」には、調度品や武器、衣装などもも展示されているので、当時の暮らしの一部を垣間見ることができるでしょう。

また、美術品や工芸品に興味がある方に特におすすめなのが、「Muzeul Oualor “Lucia Condrea”(ルチア・コンドレアの卵博物館)」です。ルーマニアでは、クリスマス以上に重要視されている宗教行事にイースターがあります。このイースターに欠かせないのが、装飾された卵。こちらのミュージアムには、オーナーである「Lucia Condrea(ルチア・コンドレア)」さんの作品を中心に、世界中から集められた1000個を超える卵の展示に加え、順を追った制作工程の展示など、小さいながら見応え満点です。さらに、蜜蝋を使った装飾卵のワークショップも行われています。

ブコヴィナの自然を感じられるアクティビティとして人気なのが、「Mocăniță(モカニツァ:狭軌鉄道」です。観光用の蒸気機関で、なだらかな山岳エリアを往復します。到着した先には、民族衣装を身につけたバンドが演奏する中、ルーマニアの伝統料理が楽しめるレストランが待っています。

お土産に人気なのが、ブコヴィナエリアの工芸品、「 Marginea pottery (マルジナ陶器)」。装飾のないシンプルな黒い陶器で、他のエリアとは違う様式美を感じることでしょう。ワークショップも行われています。そして、ブコヴィナ観光は、「チェアラウ国立公園」での自然散策を抜きにしては語れません。

牧草に覆われた長閑な山々の景色とは対照的な自然を楽しむなら、「Bicaz Gorges(ビカズ渓谷)」へ(右写真)。脅威を感じるほど道路の上まで迫り出した断崖の間を進むドライブは、他にない体験となることでしょう。路肩には、地元の工芸品を扱うお土産屋さんや、手作りスイーツの露店も。また渓谷の先には美しい湖と、ペンションがあなたの到着を待っています。

ブコヴィナエリアは、特にクリスマスから年末にかけて、ルーマニア国民でもホテルの予約が難しいほど、たくさんの人々が足を運ぶエリアです。それはこの地の人々が、ルーマニアの伝統を守り、伝えている生活があるから。それほど、ルーマニアらしさを楽しめるエリアとなっています。

ブカレストから電車を乗り継ぐか、もしくは国内線でヤシやスチャバへフライトで到着することもできます。


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