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ヨーロッパ南東部にあるルーマニアは共産主義時代(1947年~1989年)、そしてその後の経済的・社会政治的影響により、ここ数十年で一般社会は大きく変化したと言われています。ルーマニア国内の工業化が進み、都市化を経験して、文化的にも西ヨーロッパ志向が強まっていると言えるでしょう。とはいえ、国民は依然として信心深く、家族の絆や価値観を非常に重んじており、そんな国民性が文化面に大きな影響を及ぼしていることは言うまでもありません。このページでは、伝統文化はもちろん、現在のルーマニアを取り巻くカルチャーシーンもご紹介していきます。

1.ファッション

現在のルーマニアでは、ヨーロッパ諸国と同様に、多種多様なファッションブランドをセレクトして自由なファッションを楽しむ人々がほとんどです。西欧に比べると明るく派手なファッションを好む傾向にあるように思います。また、西欧諸国では化粧をあまりしない女性も多いのですが、ルーマニアの女性は綺麗にカールしたマスカラ、カラフルなアイシャドウ、肌色に生える口紅など、割としっかり目のメークを好みます。ニュースを読むキャスターなどは、体のラインが出るようなドレスにしっかりメイクを纏って、まるでハリウッド女優のような風格さえ漂っています。ここでは、ルーマニアのオリジナルファッションブランドについてご紹介していきます。

2.ミュージックシーン

ルーマニアの音楽シーンは多様で、いくつかのジャンルが人気を博しています。ポップ、ダンスミュージックは国際的にも認知されており、特にポップスやEDMのジャンルでは、多くのルーマニア人アーティストが国内だけでなく世界的に成功を収めています。INNA、Alexandra Stan、Antoniaといったアーティストがルーマニアのポップスやダンス・パフォーマーの代表例と言えるでしょう。また、一部の若者の間で人気なのが、ルーマニア発祥の「Manele(マネレ)」と呼ばれるジャンル。バルカン半島やトルコ、アラビアの影響が融合したような曲調が魅力です。

3.テレビ・映画業界

ルーマニアのテレビ・映画産業は着実に成長しており、東欧では特筆すべき存在感を示しています。規模や世界的な影響力はまだまだ発展途上ではありますが、特にテレビ業界が充実。ニュースや娯楽、文化系など、さまざまなジャンルの番組を制作しており、ルーマニアのテレビシリーズは国内外で人気を博しています。また、American god talentやWho Wants to Be a Millionaire?などのリアリティショーもルーマニア版として制作。

ルーマニアの映画産業は、特にアート・ハウスやインディペンデント映画の分野が活発で、カンヌ国際映画祭をはじめとする主要な国際映画祭で高く評価され、ルーマニアの映画人たちも様々な賞を受賞しています。特にCristian Mungiu(クリスティアン・ムンジウ)氏やCristi Puiu(クリスティ・プイウ)氏が、ルーマニア人監督として国際的に高い評価を得ています。

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1.著名な芸術家

ルーマニアは、視覚芸術、文学、音楽、舞台芸術など、さまざまな分野で著名な芸術家を何人も輩出しています。ここでは、ルーマニアの有名な芸術家を紹介します。

1.著名な作家

ルーマニア文学は、何世紀にもわたる豊かで多様な歴史を誇り、さまざまなスタイルやジャンルを包含しています。宗教書や民間伝承から始まったルーマニア文学は、19世紀に詩人ミハイ・エミネスクをはじめとする作家により大きく発展し、その叙情詩はルーマニア文化の礎となっています。20世紀には、宗教研究の先駆者であり多作な小説家でもあるミルチャ・エリアーデや、不条理演劇の第一人者であるユージン・イオネスコといった影響力のある作家が登場しました。戦後には、ノーベル文学賞を受賞したヘルタ・ミュラーのような現代作家を輩出。アイデンティティと抑圧のテーマを探求し続け、ルーマニア文学が世界的な舞台で活気と共鳴を保ち続けていることを証明しています。