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Netflix ルーマニア製作作品をみよう!


近年、ストリーミングサイトのNetflix は色々な国で映画やドラマの制作を世界的に進めていますね。日本でもNetflixオリジナル作品が大きな話題になることも増え、ヨーロッパの国々でもスペインなどが面白い作品を生み出していることで注目を集めています。ルーマニアもここに参戦!ルーマニアを舞台にしたオリジナル作品が誕生し、ルーマニアの映画・ドラマに触れるチャンスが広がっています。ルーマニアの社会や文化を感じられる内容が多く、旅行好きやヨーロッパ文化に関心のある人にもおすすめです。ここでは、Netflixで視聴できる代表的なルーマニア製作作品を紹介します。
『SUBTERAN(スブテラン)』 (2025-)
あらすじ:ルーマニアを舞台にしたアクションスリラー。主人公の Cami(カミ/Camelia Şerbu :Ana Ularu)は、ITスペシャリストであり、一人息子の母親です。彼女のフィアンセで刑事のLuca(ルカ/Luca Voinea:Conrad Mericoffer)は、彼女にプロポーズしますが、同じく刑事であった父親が殉職した過去をもつカミは一歩踏み出せずにいます。ある夜、刑事のルカが事件に巻き込まれ、ギャングの手で命を落とすことに。事件発生時にルカとテレビ電話をしていたカミは、一部始終を目撃してしまい、命を狙われる状況に巻き込まれていきます。
全6回のドラマシリーズ。一本が50分近くあるので、ボリューム満点です。クールなカメラワーク、俳優たちの息を呑む演技、スリリングな展開で、一気見してしまう人も多いのではないでしょうか?
制作はルーマニアのプロダクション「Mobra Films」。カンヌでパルムドールを受賞の「4 Months, 3 Weeks and 2 Days」を制作したプロダクションで、同映画の監督も務めた Cristian Mungiu(クリスティアン・ムンジウ)が設立にも携わっています。ルーマニア国内でさまざまなメディア作品を制作しており、信頼と実績のあるプロダクションです。
ドラマの監督は、3人の共同制作のスタイル。芸術性と国際性のバランスが評価されており、若手監督の中でも注目株、アンカ・ミルナ・ラザレスク(Anca Miruna Lăzărescu)、Gopo賞など国内最高レベルの映画賞を複数受賞し、「才能ある中堅」監督として確固たる地位を確立しているダニエル・サンドゥ(Daniel Sandu)、広告界では名の通った存在で、映像表現やシリーズ制作でも期待が集まるオクタヴ・ジョージ(Octav Gheorghe)。それぞれが得意な分野を抽出して、映像監督が行われているようです。
<俳優陣>
主役を務めるのは、アメリカやイギリスを含め、有名な作品にも多数出演し、ルーマニアを代表する国際派俳優として知られるAna Ularu。なんと彼女、ルーマニア語はもちろん、ドイツ語、フランス語、スペイン語、英語も操れのだそう。主人公・カミは、「普通のシングルマザー」が「ギャング犯罪に巻き込まれる」という難しい役どころ。極限の状況をサバイブするため、カミが内面から変化していく心理的葛藤も見どころと言えるでしょう。彼女自身も「これまでに演じたことのないタイプの役」であるとインタビューで述べており、新境地を切り開いた作品になったのかもしれません。
犯罪組織の親玉、Nicolae Tănaseを演じた、Florin Piersic Jr. 。顔面、もとい立ち姿から悪い感じが滲み出ています。悪役として相当強烈。ルーマニアでは名の知られた俳優で、演技力も認知されている存在なのだそう。ドラマの中ではいわゆる、ルーマニアのスラング、人前で口にすることが憚れるような言葉で、周りの人々を罵る様子は演技とは思えないほど。彼が演じる社会の裏側の権力者・犯罪組織のリーダーという役どころは、ドラマに重みと「敵としての強大な存在感」を与えています。中盤に日本刀を手にするシーンもありますよ。キャラクターの陰影、冷酷さ、また組織の中での影響力などが視聴者に強い印象を残すでしょう。
刑事・ルカへ情報提供を行い、暗躍するギャングメンバーの一人、Romanを演じるCezar Grumăzescu。窮地に立たされたカミをサポートする重要な役どころです。単なるスニッチ野郎ではない、秘密や過去を背負っているローマン。ストーリーの中でダークヒーロー的な面や、たびたび窮地に陥ったカミを助け出す、という救済者としてだけでなく、ローマン自身が非常に強い内面的な葛藤を抱えた人物であることが浮き彫りになります。
同じく、Netflixの人気シリーズ『Wednesday』(2022ー)では、 フェンシング教師「ヴィラド・ストーリー(Vlad the Fencer)」役 で出演しています。
ギャング一家、Tănaseの双子の娘、ティリとクリシ ―(Tili & Crisi)を演じたのは、若手俳優のIrina Artenii。ドラマ内でも特に注目すべきキャラクターで、それぞれ性格が全く異なる双子の姉妹を一人で演じています。彼女自身、「2つのほぼ真逆なキャラクターという点で、自分にとって挑戦だった」とインタビューで語ったほど。確かに、ティリの残虐さとキレッキレのアクションシーン、クリシーのバカっぽいあざとさは、キャストクレジットを見るまで一人で演じているとは思えませんでした。
そして彼女のInstagramを見てさらに驚き!SUBTERANの役どころとは全く言葉るヘルシービューティーな写真の数々。女性は本当にメイクとファッションで変わるということを大いに感じさせられます。
SUBTERAN出演後、海外からも注目が高まっている彼女。次回作も楽しみですね。
『America, venim!(America, Here We Come!)』 (2014-)
こちらは、最新作ではありませんが、Netflixで視聴可能なルーマニアの映画です。コメディタッチのロードムービー風の作品。ステレオタイプなルーマニア人を面白おかしく描いています。
あらすじ:ルーマニアの地方の演劇一座(トゥルパ・デ・テアトル)は、ルーマニア領事館の招待を受け、ニューヨークで演劇を行う機会を得ます。一座は、神経質な劇場ディレクター、男女ともに個性豊かな俳優たち、俳優夫婦の子どもとぬいぐるみのテディベアも加わったメンバーです。ひょんなきっかけからニューヨークのレストランでパフォーマンスを披露した俳優たちは、アメリカに住むルーマニア人コミュニティ向けにツアーを約束するローカルなプロモーター/エージェントと関わるようになります。ところがこのツアーは計画通りには行かず、言語の壁、文化の違い、予期しない出来事などが次々に起こり、ハプニング満載の旅となるのです。
以上、2025年にリリースされたばかりのドラマ、最新ではないものの気軽に見れるコメディ映画、どちらもルーマニアらしさ溢れる作品です! ルーマニア制作の映画に触れる機会はまだまだ多いとは言えませんが、映像化された作品にはたくさんのルーマニアらしさが詰め込まれています。もし見られた方はぜひ感想を共有してくださいね。
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欧州最強を決める「UEFA EURO 2024」注目すべきルーマニア選手は?

欧州サッカー連盟が主催する、ヨーロッパ各国の代表チームによって競われるサッカートーナメント「EURO2024」。17回目となる今大会では、開催国ドイツを除く23チームが出場を予定しています。予選は2024年3月までに終了しており、サッカー・ルーマニア代表は「EURO 2024」の本戦に出場することが決定しました。今回は、ルーマニアのサッカー事情から今大会における注目選手までご紹介します。
ルーマニアのサッカー事情
ルーマニアにおいて、サッカーは他のヨーロッパ各国と同様に絶大な人気を誇り、国民文化や日常生活に深く浸透しているスポーツと言えます。様々な角度からルーマニアにおけるサッカー事情について見てみましょう。
歴史的成功
ルーマニア代表は、1930年第一回FIFAワールドカップにおいてヨーロッパの4つの代表のうちの一国として出場するなど、古くからサッカーの強豪国として認識されてきました。特に、1990年代の功績は大きく、「ゲオルゲ・ハジ(Gheorghe Hagi)」のようなスター選手に率いられた「黄金世代」は、国際大会で素晴らしい成績を収めています。1994年のFIFAワールドカップ、そして2000年のUEFA欧州選手権「EURO2000」では準々決勝に進出するなどの結果を残しています。現在は、強豪が集うヨーロッパでその実力を示すのはなかなか難しい状況ではありますが、「EURO2024」の本戦への出場を果たすなど、ルーマニアサッカー界において、新たな時代に突入していると言えるでしょう。
国内リーグとクラブ
ルーマニアの国内サッカーシーンは活気に満ちており、豊かな歴史と熱狂的なファン層を誇るクラブがいくつも存在しています。特に、ルーマニアのトップリーグである「リーガI」に位置する、「ステアウア・ブカレスト Steaua Bucharest(現FCSB)」、「ディナモ・ブカレスト Dinamo Bucharest」、「CFRクルージュ CFR Cluj」といったクラブは多くのファンを抱え、国内だけでなくヨーロッパの大会でも結果を残してきました。これらのクラブはしばしば激しいライバル争いを繰り広げ、ファンの熱狂的な支持を集めています。
サッカーファン
ルーマニアのサッカーファンはヨーロッパの中でも、熱狂的な応援で知られています。特にトップクラブや代表チームの試合では、観客動員数が多く、スタジアムの雰囲気も活気に満ちていると言えるでしょう。ドイツで行われる「ユーロ2024」でもたくさんの応援が期待でき、スタジアムではルーマニア人による熱烈なサポートが行われることでしょう。
結論として、ルーマニアにおけるサッカーの人気は絶大で、その豊かな歴史と強力な国内リーグ、熱狂的なファン層、そして充実した青少年育成プログラムや広範なメディア報道など、文化的な影響も大きいと言えます。サッカーは、ルーマニアの生活の中心的存在であり続け、多くの人々に興奮と誇りをもたらしているのです。
EURO2024におけるルーマニア
今年3月までに行われた「EURO2024」の予選を勝ち抜き、本戦への出場が確定したルーマニア代表チーム。「EURO2024」は、前回大会において出場を逃したルーマニアにとって大きなイベントと言えます。ルーマニア代表の試合が開催されるドイツ・ミュンヘンとは文化的にも強い繋がりがあり、ミュンヘンにはたくさんのルーマニア人が居住しているため、ファンからのサポートも期待できるでしょう。現在のルーマニアの代表チームについてご紹介します。
「EURO2024」の予選を短くまとめたムービーを見つけました。会場の盛り上がり、選手の熱いプレーを見て、本戦に備えましょう! 現在のルーマニア代表チーム
監督は、ルーマニア国内プロリーグで、監督するチームを度々王者に導いてきた、エドワード・イオルダネスク(Edward Iordănescu)氏。彼の指導の下、ルーマニア代表チームは予選ステージの厳しいグループIを勝ち抜き、その回復力と戦術的手腕を発揮して出場権を確保しました。
「EURO2020」において予選敗退を喫したルーマニアチームにとって、今大会で予選を勝ち抜き本戦への出場を決定したことは、エドワード監督の大きな功績であるとも言えるでしょう。
今大会でもその采配に大きな期待がかかります!
サッカー・ルーマニア代表、注目選手
代表チームで最も支持を集めているのは、キャプテンの、ニコラエ・スタンチウ(Nicolae Stanciu)と言えるでしょう。ルーマニアの国内リーグで経験を積んだのち、ベルギーの「アンデルレヒト」へ移籍。在籍していた2016-2017シーズンにベルギー・プロリーグで優勝するなど、成功を収めました。スタンチウの技術力とプレーメイキング能力はアンデルレヒトの中盤で極めて重要な役割を果たし、UEFAチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの重要な試合にも出場しています。
現在は、サウジアラビアの「ダマックFC」でプレー。攻撃的MFのスタンチウは、その創造性、視野の広さ、そしてフィールドでのリーダーシップで高く評価されています。
2016年以来、ルーマニア代表チームに在籍、現在はチームのキャプテンでもあり、チーム全体のパフォーマンスを牽引するエンジンでもあるのです。また、FKやPKも得意なため、今大会でも得点が期待されています。
ルーマニアサッカー界のサラブレッド、イアニス・ハジ(Ianis Hagi)。ハジの父は、東欧のマラドーナと評されたゲオルゲ・ハジ(Gheorghe Hagi)で、イアニスも幼少期よりサッカーに囲まれて育ち、父親のサッカーに対する情熱と才能を受け継いだ選手と評されています。15歳からルーマニアの国内プロチームでプレーし、その後イタリア「セリエA」、ベルギープロリーグなど、ヨーロッパの競合チームでもプレー。現在は、スペインリーグの「アラベス」に在籍しており、攻撃的ミッドフィルダーもしくはウインガーとして活躍しています。
彼は優れたドリブル、正確なパス、視野の広さで知られ、ユース時代から活躍するルーマニア代表チームに欠かせないスター選手です。
会場でも彼を応援する一際大きな声援が常に響いています。
ルーマニアサッカー界の超新星、ディフェンダーのラドゥ・ドラグシン(Radu Drăgușin)。ルーマニア国内の様々なユースチームを渡り歩いた後、2018年にはイタリア・セリエAの強豪・ユベントスのユースチームに移籍し、セントラルディフェンダーとしてのスキルを磨きました。その後、サンプトドリア、サレルニターナ、ジェノアなどのトップチームで試合経験をつみ、現在はトッテナム・ホットスパーに在籍中。
2021年よりルーマニア代表に参加し、類まれないディフェンス能力を発揮しています。
プレースタイルとしては、身長1.91mの長身を生かして、力強いタックル、空中戦の強さは目を見張るものがあります。
若き代表として将来のルーマニアチームを牽引する存在になると期待されている選手です。個人的には甘いマスクにも注目!
EURO2024の試合スケジュール
ルーマニアは、ベルギー、スロバキア、ウクライナと争うグループEに組み込まれています。今大会の優勝候補の一角・ベルギー、高い守備力を誇る・スロバキア、番狂せを起こす力を秘めたウクライナと、決して簡単なグループではありません。
【グループE:試合日程】
6月17日(月):ルーマニア対ウクライナ(会場:ミュンヘン)、ベルギー対スロバキア(会場:フランクフルト)
6月21日(金):スロバキア対ウクライナ(会場:デュッセルドルフ)
6月22日(土):ベルギー対ルーマニア(会場:ケルン)
6月26日 (水):スロバキア対ルーマニア(会場:フランクフルト)、ウクライナ対ベルギー(会場:シュトゥットガルト)
グループEにおける勝ち上がりは、ベルギーが最有力と言われており、他の3チームがノックアウトステージへの残り1枠を争う、熾烈な戦いが予想されています。しかし、現在のルーマニア代表チームは、ディフェンスのラドゥ・ドラグシンやミッドフィールドのイアニス・ハジなど、経験豊富な選手と若い選手が混在しています。規律正しい守備と、キープレーヤーたちの創造性により、グループリーグ突破の可能性は十分にあるとも言えるでしょう。日本でも試合中継の視聴が可能なチャンネルもたくさんあるので、ぜひ一緒に応援しましょう!
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春の訪れを祝う「Mărțișor」

ルーマニアでは、3月1日に “Mărțișor”(マルツィーショール)と呼ばれる伝統的なお祝いがあることをご存知ですか? このお祝いは春の訪れを祝うもので、ルーマニアの民間伝承と文化に深く根ざしています。
3月1日からおよそ一ヶ月の間、人々は “mărțișoare “(マルツィショアレ)と呼ばれる小さな装身具や記念品を交換し合います。春の到来と冬の苦難が過ぎ去ることを祈る言葉が添えられることが多く、喜びと楽観主義、そして自然の再生を祝う意味があるのです。
通常「マルツィショアレ」は、シルクやウールで作られた赤と白の細い糸で編み込み、様々なチャームやビーズなどの装飾品で飾られています。赤と白は冬から春への移り変わりを象徴しており、赤は生命力や活力、春の訪れを、そして白は純潔、冬の残雪を意味し、幸運や健康、繁栄のシンボルとされているのです。
3月中はこのマルツィショアレを衣服に留めたり、手首に巻いたりする習慣が現在も続いています。マルツィショアレを愛する人や友人同士で送り合い、伝統と喜びを分かち合っているのです。
マルツィショアレは、ルーマニアのお土産としても人気ですし、特に2月あたりからルーマニア各地で子供達が作ったマルツィショアレをチャリティーとして販売するなど、目にする機会も多と思います。
大切な人々とルーマニア式に春の訪れをお祝いしてはいかがでしょうか?
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ルーマニアのクリスマスマーケット

キリスト教を信仰するルーマニアでは、クリスマスは一年の中でもっとも重要なイベントのひとつです。秋が終わりを告げ、冬の到来を肌で感じる頃には、クリスマスマーケットがスタートします。
ヨーロッパでは、特にドイツやオーストリアのクリスマスマーケットが有名ですが、ルーマニアも負けてはいません。
ドイツ、またはフランス東部が発祥と言われるクリスマスマーケットが、ルーマニアで初めて開催されたのは、2007年のこと。Sibiu(シビウ)が欧州文化首都となった年に始まりました。その翌年からは、ルーマニア全土に広がり、特にルーマニアの発祥地となったSibiuのクリスマスマーケットは、「ヨーロッパで最も美しいクリスマスマーケット15選」に選出されるなど欧州でも人気のクリスマスマーケットの一つとして成長を遂げています。
ルーマニアのクリスマスマーケットの特徴は、古くからのルーマニアの伝統と現代のお祭りのような賑わいが融合し、他のどの国とも違うルーマニアらしいクリスマスマーケットを楽しむことができると言えるでしょう。会場となる各街の中心広場は、まるで魔法の国のように眩いほどの光がきらめき、陽気な音楽が響き渡ります。
まずは、冷えた体を温めてくれるホットワイン「Vin fiert」(ヴィンフィエルト)からいただきましょう。マーケット中に甘くてスパイシーな香りが立ち込めているのですぐにスタンドを見つけることができるはずです。マグカップを片手にマーケット散策へ繰り出すのも定番と言えます。
クリスマスマーケットが開催される広場には、木製のスタンドが軒を連ねており、絵付された陶器や木彫りの小物、宗教画であるイコン、手刺繍が施された伝統的な品々はもちろん、様々な衣装や仮面、木製のおもちゃ、楽器、手描きの装飾品など、まるで物産展に来たかのようにさまざまな商品が所狭しと並んでいるのです。
そしてもちろん、伝統的な食べ物も見逃せません。多くはその場で調理され、提供される伝統的な温かいルーマニア料理はクリスマスマーケットを楽しむ重要な要素とも言えるでしょう。
屋台ではぜひ以下の食べ物にチャレンジを!

Covrigi(コヴリギ)
柔らかい生地に粗塩をまぶしたプレッツェルの一種。温めて食べることが多く、マーケットの散策に食べ歩きしやすいスナックとして人気。

Kurtos (クルトス)
木製の串に生地を巻きつけ、直火で外はカリッと中は柔らかくなるまで焼いた焼き菓子。ルーマニア全土で食されていますが、トランシルヴェニアが最も有名で、シナモンや砂糖をまぶしていただきます。中欧で絶大な人気を誇る。

Langos(ランゴシュ)
ハンガリー発祥の揚げパン。 サワークリームやチーズ、ニンニクなど香ばしいトッピングがよくのせられる。

Mici(ミチ)
牛肉や羊肉、豚肉を混ぜてニンニクとパプリカで味付けした焼きソーセージ。マスタードとパンと一緒に食べるのが一般的で、ルーマニアではポピュラーな屋台料理。

Gogosi(ゴゴシ)
ルーマニアの揚げドーナツ。ジャムやチョコレートが入っていることが多い。
そして、ルーマニアのお祝いに欠かせないコゾナックや大人気のデザートパパナシ、もちろんクリスマスらしいジンジャーブレッドやパンケーキ、さらにお土産にも嬉しい地元で採れたフルーツジャムや蜂蜜、シロップなども。
ステージイベントも見逃せません。ルーマニアのクリスマスに欠かせないものの一つに、クリスマス・キャロルがあり、ほとんどのクリスマスマーケットでは、こども合唱団からプロのフォークシンガーまでさまざまなスタイルで演奏が行われています。
特にブラショフエリアでは、仮面や民族衣装に身を包んだダンサーによる民族舞踊を中心とした有名なパフォーマンスを鑑賞することができるでしょう。
それでは、ルーマニア各地で開催されている代表的なクリスマスマーケット情報です。
Sibiu シビウ
トランシルヴァニア地方の中心都市の一つ・シビウは、ルーマニアにおけるクリスマスマーケットの発祥地。高さ22mもの観覧車やスケートリンクも登場し、美しいクリスマスデコレーションも見ものです。
開催時期:開催中〜2024年1月2日(25日はお休み)
開催時間:月曜〜金曜 11:00-22:00、土・日曜 10:00-22:00
開催場所:Piața Mare 周辺
Bucharest ブカレスト
ルーマニアの首都・ブカレストでは、壮大な国会議事堂を背景に130を超えるクリスマス屋台が軒を連ね、全国各地から集まった手工芸品はクリスマスプレゼント探しにもおすすめ。また、ルーマニアの郷土料理はもちろん、世界各地から集まった美食スタンドも注目です。
開催時期:開催中〜12月26日
開催時間:月曜〜金曜 12:00-22:00、土・日曜 10:00-22:00
(12月25日は12:00〜、12月26日は13:00〜)
開催場所:Palatul Parlamentului 周辺
Brasov ブラショフ
カルパチア山脈を臨み、ルーマニアで人気の観光スポットであるブラン城やペレス城へもアクセスできるブラショフ。クリスマスマーケットは、他の都市に比べて小規模であるものの、本物の木を使ったクリスマスツリーは特別な美しさがあることで知られています。
開催時期:開催中〜2023年1月3日
開催時間:11:00-21:00
開催場所:Piața Sfatului 周辺
Sighisoara シギショアラ
ユネスコの世界遺産であり、中世の姿を残す街として知られる城塞都市シギショアラでは、クリスマスマーケットでも中世の雰囲気を感じることができます。クリスマスらしくライトアップされた時計塔も普段とは一味違う魅力です。
開催時期:開催中〜2023年1月
開催時間:11:00-21:00
開催場所:Sighișoara Citadel 周辺
Timișoara ティミショアラ
2023年度の欧州文化都市でもあるティミショアラでは、その役割にふさわしいステージが目白押し。伝統的なルーマニアのキャロルからモダンなコンサート、民族舞踊や演劇など、エンターテイメント好きには見逃せない内容です。
開催時期:開催中〜2023年1月2日(25日はお休み)
開催時間:11:00-22:00
開催場所:Piata Victoriei 周辺
Oradea オラデア
国境に近いオラデアでは、オーストリア・ハンガリー文化とルーマニアの伝統が美しく調和したクリスマスマーケットを楽しむことができます。クリスル・レペデ川(Crisul Repede River)に映る街のイルミネーションも魅力です。
開催時期:開催中〜12月26日
開催時間:10:00-22:00
開催場所:Piața Unirii 周辺
上記情報はあくまでウェブサイト上の一般情報となっております。実際にお出かけになる際は、必ず該当市町村の情報を確認いただくようお願い申し上げます。
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ルーマニアの基本情報

東欧に位置するルーマニアについて、皆さんはどんなイメージを持っているでしょうか?旧社会主義の国、ドラキュラの伝説の発祥地、メダリストのコマネチの出身地…。しかし、そんなことだけではない、まだまだ知らない魅力がたくさんあるのです。このページでは、ルーマニアの基本情報に加え、日本との繋がりもご紹介していきます。
【基本情報】
- 言語:ルーマニア語(公用語)、ハンガリー語
- 民族:ルーマニア人(83.5%)、ハンガリー人(6.1%)など
- 面積:約23.8万㎢(日本の本州とほぼ同じ大きさです)
- 人口:約1,903万人(2022年)(出典:ルーマニア国家統計局)
- 首都:ブカレスト(人口約216万人、2022年、(出典:ルーマニア国家統計局)
- 宗教:ルーマニア正教、カトリック、プロテスタント
- 政治:共和制
- 元首:クラウス・ヨハニス・ルーマニア大統領(2014年12月〜、任期は5年だが、2019年11月再選)
- 議会:二院制(上院136議席、下院330議席)、任期4年
【主要産業】
サービス業(59.9%)、工業(20.0%)、建設業(6.6%)、農林・水産業(4.2%)
(2020年、出典:ルーマニア国家統計局)
【日本からのアクセス】
日本からルーマニアへは、現在は空路による直行便がありません。しかし、ヨーロッパの主要都市や、中東の各都市からトランジットで入国が可能です。特にヨーロッパからであれば、ルーマニアの首都・ブカレストだけでなく地方都市にも空港があるので、ブカレストを経由せずとも目的地へダイレクトに到着できます。また、隣接するハンガリーやブルガリアから列車にて入国することもできます。
【日本への興味・関心】
ルーマニアの人々からの日本文化への関心は年々高くなっており、多くの面で文化交流が持たれています。芸術分野では、音楽や演劇、ダンスなどでも交流があり、ヨーロッパ最大級の演劇祭のひとつ、「シビウ国際演劇祭」においては、日本の劇団も参加。また、民間レベルで日本の文化を知るためのイベントもルーマニア各地で多数行われています。
また、日本研究や日本語学習に対する関心も高く、2021年度海外日本語教育期間調査では、ルーマニアの日本語学習者は、約1900名に上ると言われています。これは、東欧においてポーランドに次いで多い結果を示しているのです。また、大学間の学術提携、文化交流も盛んであり、今後ますますの文化交流が期待されています。
