Valachia(Muntenia)/ワラキア(ムンテニア)

ルーマニアで人気のエリア

ルーマニアの国土は、日本の本州と変わらないほど大きく、地方により伝統や文化も異なります。エリアごとの特色から、訪れる旅先を選んでみたい人はこちらからどうぞ。

  • 名前: Vlachs人またはWalachs人の土地、を意味する
  • 場所:ルーマニア南部(南はドナウ川、北はカルパティア山脈とトランシルヴァニア・アルプスに囲まれている)
  • 面積:41,000平方マイル
  • 人口:約600万人 
  • 主要都市:Bucuresti(ブカレスト)、Brăila(ブライラ)、Craiova(クレイオヴァ)、Drobeta-Turnu Severin(ドロベタ・トゥルヌ・セヴェリン)、Ploiești(プロイエシュティ)、Pitești(ピテシュティ)、Târgoviște(タルゴヴィシュテ)、Târgu Jiu(タルグ・ジュー)
  • 気候:温帯大陸性気候で、夏は暑く、冬は寒い。

ワラキア(ムンテニア)は、ルーマニアの南東部、ブルガリアとの国境に面したエリアです。現在の国土の約1/3の大きさを占めており、首都・Bucharest(ブカレスト)があるのもこのエリア。

以前は「Little Paris」とも称された首都・ブカレストは、近年目覚ましい発展を遂げており、エッジの効いた新しいトレンドが生まれる街として「new Berlin」と呼ばれるほど。おしゃれなカフェやレストランも多く、クラブやコンサートホールなど、ナイトライフも充実しており、東欧の旅先として定番化しつつあります。ほとんど英語でのコミュニケーションで問題がないほど、国際色豊かな街でもあるのです。

ただし、共産党時代の面影も色濃く残っており、賑やかなエネルギーと対照的に、歩んできた時代の足跡も感じます。共産党時代に建てられ、1100もの部屋を持つ巨大な行政庁舎「国民の館」を始め、40を超える博物館、18もの美術館、22の劇場、コンサートホールやオペラハウスもあり、ルーマニアの歴史や文化にたくさん触れたい方には、好奇心を満たされる旅になることでしょう。

また、ルーマニアで最も静寂に包まれた修道院のいくつかも、このエリアにあります。代表的な修道院の一つ、「Horezu(ホレズ)修道院」は、ブランコヴェネスク建築様式の傑作であり、ユネスコの世界遺産にも指定されています。ルーマニア正教会の修道院は、私たちがイメージする一般的な教会とは違った建築様式、内装で、特に教会堂内の宗教画やイコンの美しさには目を奪われることでしょう。

ホレズはルーマニア国内でも有名な陶器の産地でもあり、カラフルな品々はお土産にも人気です。その芸術性の高さから、ユネスコの無形文化遺産にも指定されています。制作工程の見学も人気で、地元の職人工房で色とりどりの陶器が作られる様子を眺めたり、オリジナルの陶器を作るワークショップへの参加もおすすめです。

芸術を愛する人にぜひ訪れてほしいのは、ジュウ川のほとりにある「Târgu Jiu(トュルグ・ジュウ)」と呼ばれる街。かつて市場だったこの街は、近代彫刻の創始者と称される偉大な芸術家、Constantin Brâncuşi(コンスタンティン・ブランクーシ)氏と深い関わりがあり、彼を代表する巨大な彫刻作品を堪能することができる街として知られています。右の写真は、ブランクーシの作品の一つ、「沈黙の円卓」。

ブランクーシは、イサム・ノグチなどにも大きな影響を与えた芸術家であり、かつてはルーマニアのお札に肖像画がプリントされていたり、命日(2月19日)が祝日とされていたり、とルーマニア国民にとって英雄の一人として知られています。

もちろん豊かな自然も魅力で、ルーマニアで最も人気を集めるウインターリゾートが楽しめるエリアも有しています。カルパチア山脈にも面しているため、首都ブカレストから2時間余りで、大自然を堪能できるトレッキングコースなども充実しています。

ブカレストを中心に人気のエリアへのデイトリップも可能なので、自分の趣味や興味に合わせて、いろいろなルーマニアを体験できる旅となることが間違いなしです。


Popular area for SIGHTSEEING

ルーマニア中部・トランシルヴェニアは、中世の姿を残す町や原生林が残る森、カラパチア山脈、ドラキュラ伝説で知られるブラン城、そして多くの世界遺産を有しており、観光に特に人気です。

ルーマニア北東部にあるモルドヴァ地方。トランシルヴェニアと並び、歴史、民族、豊かな自然が体験できるエリアとして人気を集めています。ルーマニア国民の旅行先としても人気。

Black Sea and Danube Delta

欧州で2番目の長さのドナウ川は、ルーマニアを通り黒海へ続きます。手付かず自然が残るドナウ河口は、様々な動植物の宝庫で、自然遺産にも登録されています。